Art-SITE vol.5 吉川永祐個展「泥・生成・蛇」

Art-SITE vol.5

吉川永祐個展「泥・生成・蛇」

金沢市民芸術村アート工房 PIT5
2026年1月23日(金)〜25日(日)17:00~23:00

 

 

この度、金沢市民芸術村アート工房では、2026年1月から3月にかけての計九日間、「Art-SITE:Late Show」を開催いたします。

「Art-SITE」とは、2022年より始まった、ジャンルを問わずアーティストの展示会やパフォーマンスなどを行う企画展シリーズです。北陸における作品発表の場として、長く親しまれてきた金沢市民芸術村を舞台に、展示空間や鑑賞者の動きにも積極的に意識を向けうるアーティストを招致し、金沢市民芸術村アート工房の空間ならではの運用方法の実践・提案をするものです。

本年度は「Art-SITE:Late Show」と題し、石川県金沢市を拠点に活動するアーティスト、遠藤茜、吉川永祐、舘田美玖の個展をそれぞれ開催いたします。本展では、会期を三日間の夜間17時から23時までと限定的にすることで、24時間利用可能で、まるでギャラリーと劇場が混ざり合ったかの様な、全国的にも類を見ない金沢市民芸術村アート工房を活かした、より実験的な表現を行う場(SITE)を展開をします。

第一期は、2026年1月23日(金)から25日(日)までの三日間にわたり、吉川永祐個展「泥・生成・蛇」を開催いたします。

吉川はこれまで、写真や映像、オブジェやドローイング、画像加工ソフトの活用からパフォーマンスの記録映像に至るまで、じつに多岐にわたるメディウムを用いて作品を制作してきました。その多くが吉川の個人的なエピソードを立脚点としながらも、山や神話といった非ヒューマンスケールな存在と重ねられているのが、作品一つの特徴と言えると思います。

吉川は自身の制作について「自己を内省する契機であり、他者や世界との関わり方を探る行為」と述べています。ときに現代美術史や郷土史を参照し、カメラによる撮影や型取りによって自らの肉体を客観的に捉えるアプローチは、例えるなら地図を広げ、GPSで位置情報を確認し、この世界の中から自分を見つけ出そうとしているかの様です。

近年は、拾った石が滅失するまで磨く事を課した《わかれたあとのからだ》(2024)や、使用される事で汚れ小さくなって行くメラミンスポンジを記録した《Melamine sponge》(2024)など、反復運動による物体との対峙という、新たな展開を見せています。本展でもこれらと同様の、あるいは延長線上にある新作が発表される予定です。

短い会期ではありますが、皆さまからのご高覧を、心よりお待ち申し上げております。


アーティストステートメント

 

能では登場人物の感情の変化に応じて仮面を使い分けます。「泥・生成・蛇」は、本展を構成する三つの要素を並べたものであり、「泥眼(でいがん)」、「生成(なまなり)」「蛇(じゃ)」という能面の名前を参照したものでもあります。現代社会の中で複数の仕事や役割、アカウントを掛け持つ僕たちも、見えない仮面を意識もしないままに付け替え続けているように思います。この展覧会では、複雑で、次々と変化し、時には矛盾する「感情の姿」を描き出すことが目標です。

(吉川永祐)

 


吉川永祐(アーティスト)

1997年島根県生まれ。2023年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース修了。2023年以降は現代美術作家としての活動と子どもたちが自由にテクノロジーに触れることのできる第三の居場所、「ミミミラボ」でのコーディネーターを並行して行う。幼少期から親しんできた神話的な世界観を背景に「距離」や「立場」、「状況」といった要素により変化する、対象との関係性や認識の揺らぎに関心を持つ。特に、自身の身体や記憶を出発点に風景、制度、神話的な想像力といった一見遠くにあるモチーフとの接続を試みている。映像、オブジェクト、テキスト、行為など複数のメディアを横断しながら作品を展開している。主な展覧会に、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2025」(2025年 京都新聞ビル/京都)、「摩擦/ここをわたしの居場所というとき」(2024年 プライベイト/東京)、「Body Buddy Baby(Co-program2024 カテゴリーB)」(2024年 京都芸術センター/京都)など。

https://www.instagram.com/eisu_ke_/


展覧会概要

Art-SITE vol.5 吉川永祐個展「泥・生成・蛇」
会場:金沢市民芸術村アート工房 PIT5
日時:2026年1月23日(金)〜25日(日)17:00~23:00


トークイベント

「吉川永祐(アーティスト)× ゲスト登壇予定(後日発表)」
日時:2026年1月23日(金)20:00~21:30


 

 

《わかれたあとのからだ》 2024 / 映像インスタレーション

 

《わかれたあとのからだ》 2024 「Body Buddy Baby」展示風景(京都芸術センター ギャラリー北・南、京都)

 


アクセス

 

金沢市民芸術村 石川県金沢市大和町1-1 TEL076-265-8300

・バス バス停【武蔵ヶ辻・近江町市場】発 「香林坊」経由「新金沢郵便局」行 バス 停【大豆田」】下車 徒歩5分
・車 北陸自動車道「金沢西I.C」から片町方面に約10分 ・金沢駅・片町交差点から 徒歩15分、タクシー5分


主催:金沢市民芸術村アクションプラン実行委員会(公益財団法人金沢芸術創造財団、金沢市)
企画担当:金沢市民芸術村アート工房ディレクター 菊谷達史
フライヤーデザイン:村田裕章