Art-SITE:Late Show

 

 


Art-SITEとは、ジャンルを問わずアーティストの展示会やパフォーマンスなどを行う企画です。北陸における作品発表の場として、長く親しまれてきた金沢市民芸術村を舞台に、展示空間や鑑賞者の動きにも積極的に意識を向けうるアーティストを招致し、アート工房ならではの運用方法を実践・提案するものです。

 

本年度の「Art-SITELate Show」では、石川県金沢市を拠点に活動するアーティスト、遠藤茜、吉川永祐、舘田美玖、三名の個展を開催いたします。2026年1月から3月にかけて、それぞれ会期を夜間の三日間限定とし、より一時的で実験的な表現を行う場(SITE)を展開します。

 


Art-SITE vol.5

吉川永祐|KIKKAWA Eisuke

2026年1月23日(金) – 25日(日)

「泥・生成・蛇」

 

能では登場人物の感情の変化に応じて仮面を使い分けます。「泥・生成・蛇」は、本展を構成する三つの要素を並べたものであり、「泥眼(でいがん)」、「生成(なまなり)」「蛇(じゃ)」という能面の名前を参照したものでもあります。現代社会の中で複数の仕事や役割、アカウントを掛け持つ僕たちも、見えない仮面を意識もしないままに付け替え続けているように思います。この展覧会では、複雑で、次々と変化し、時には矛盾する「感情の姿」を描き出すことが目標です。

(吉川永祐)

 

 

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Art-SITE vol.6

舘田美玖|TATEDA Miku

2026年2月21日(土) – 23日(月・祝)

「深呼吸する練習」

 

変化する日々の中で、私たち自身も少しずつ動いている。それは、自分の輪郭や記憶など、私たちのあり方に関わる部分にもきっと言えることだと思います。私は普段絵画を制作しながら、ときどき実験的にアニメーションを制作します。一枚一枚のドローイングを連続させると、ある別のイメージがあらわれて、その姿が変わってゆく過程を観察することができます。本展示では、これまで制作してきたドローイングアニメーションを展示します。絵画のあり方をいったん側に置きながら、姿が変容していくようすを眺め、より深く呼吸することを試みたいです。

(舘田美玖)

 

 

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Art-SITE vol.7

遠藤茜|ENDO Akane

2026年3月20日(金・祝) – 22日(日)

「Same name, same act」

 

本展は漆の職人が使用する「マナ板」という道具に着目します。「マナ板」とは漆を練ったり混ぜたりと漆を扱うための板で、一般的には定盤(じょうばん)と呼ばれることも多いです。興味深いことに、「マナ板」はその名の通り調理に使う「まな板」と同じ呼び方をされています。調理に使う「まな板」と、漆の「マナ板」。調理用の「まな板」は使用すればするだけ傷がつきますが、漆の「マナ板」は逆に使用すればするだけ艶を増していきます。この相反する関係性を用いて、「傷をつける」こと、その暴力性と同時に宿る装飾性について、考えてみたいと思います。

(遠藤茜)

 

 

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