アートな仕事ークVol.12:指江昌克 描かれる世界、模型する風景

 

アートな仕事ーク2025
「Art WORKs – 美術家の制作、労働、現場」#2

指江昌克

描かれる世界、模型する風景


「アートな仕事ーク」は、金沢市民芸術村アート工房が2017年より開催しているトークシリーズです。
アーティストやキュレーター、研究者など、アートの現場で活躍する多彩なゲストを迎え、その仕事の背景や実践を掘り下げてきました。
2025年度は「Art WORKs – 美術家の制作、労働、現場」と題し、石川県にゆかりを持つ、現代美術の分野で国内外で活動するアーティストたちの制作とその現場に焦点を当てます。

第2回のゲストは、美術家の指江昌克さんです。金沢市出身で、現在も金沢を拠点に制作を続ける指江さんは、これまで日本国内のみならず世界各地のギャラリーに作品を取り扱われ、国際的に発表を重ねてきました。

指江作品の代名詞である、浮遊する球体を描いた絵画シリーズでは、ネオンサインや錆びたトタン、室外機や自動販売機といった、都市に溢れる記号的モチーフが再構成され、閉じられた系の中で循環する“世界の模型”のようなイメージを描き出してきました。そこには、人間の活動と自然、そして技術のバランスによって生じた、都市風景に対する独自のまなざしが見て取れます。

キャンバスに油絵具で描かれるタブローのみならず、ウォールペインティングやプラモデル、ペナントフラッグといった、多様な形式での制作を並行して展開しており、その活動は、絵画という伝統的な形式を起点としながらも、固定化されたジャンルの枠を軽やかに越えていく実践として展開されています。

本トークでは、金沢という土地を拠点にしながら国内外へと活動を広げてきたその軌跡を振り返りつつ、指江さんが考える「描くこと」と「世界をつくること」の関係を探ります。


インフォメーション

日時:
2025年12月6日(土)
17:00-19:00(OPEN 16:00 / CLOSE 21:00)
会場:金沢市民芸術村 PIT5アート工房
料金:無料

登壇者プロフィール

指江昌克(美術家)

1974年石川県出身・在住。 過去から現在に至る時間の流れの中で積み重ねられた日常に見られる風景の欠片を収集、構成する事で現在の風景として油彩で表現する。代表的な作品の球体を描くスタイルは大学院生のときに考案したもので、 2000年に金沢美術工芸大学修士課程を修了。 アメリカや欧州、アジア、中東などでインディペンデントアーティストとして活動しており、これまでの作品は国際的に個人および企業のコレクションに収められている。

北原明峰(ゲストスピーカー / 平面作家)

1997年石川県出身。2021年に金沢美術工芸大学を修了。現在は絵画教室に勤める。意味や生産性のない物事を肯定する事を根底に置き、自身の生活の中で関心のある題材を選び作品制作を行なっている。

 

photo by 筒井愛子 Tsutsui Aiko

菊谷達史(司会 / アート工房ディレクター)

1989年北海道生まれ、金沢美術工芸大学大学院修士課程絵画専攻油画コース修了。2025年より金沢市民芸術村ディレクター。記憶装置としてのモニュメントとドキュメントをテーマに絵画と映像を制作している。

お問い合わせ:

金沢市民芸術村
TEL 076-265-8300

 

最新情報はディレクターのSNS、金沢市民芸術村Instagramをご確認ください!

 


主催:金沢市民芸術村アクションプラン実行委員会